読ませるではなく見せる宣伝を。
宣伝ツールをデザインする際にとても重要なものとして「差別化」という要素があります。
「自社の 商品やサービスが他社と比較して、いかに優れているか?」といった点を「差別化」と言いますが、チラシやWebで宣伝をする場合は、これが訴求の軸となります。
特に一発勝負の傾向が強いチラシなどは、この「差別化」部分をスグにわかってもらえるようなインパクトと視覚効果が生命線といえましょう。
企業やサービスの価値を理解してもらうことことが集客の第一歩です。
さて、この差別化という言葉の定義を文章で表すと上のようになりますが、これだと何を言わんとしているのかがわかりづらいですね?そこでもっとわかりやすく、興味を持ってもらえるよう表現を変えてみましょう。
カンタンな絵を添えた、たった3コマのマンガですが文章だけの場合と比較してなんとなく理解しやすくなるのではないかと思います。また最初の注目度(インパクト)が向上し、多少長くなってもマンガのセリフなら読みやくなります。
もうひとつ、このようなマンガ形式の有利な点は「ストーリー」を持たせることができることです。
ストーリーを持たせると、なんとなく最後のコマまで見てしまうのではないでしょうか?
これが当社の言う、「×読ませる」→「○見せる」ということです。
実際の事例
それでは、実際に行った「見せる宣伝」の事例をご紹介します。
例えば、チラシが比較的多いリフォーム業では、このように商品と値段を羅列したタイプのものが多いのですが、これでは商品名と価格と会社名だけで自社のよいところが十分伝わっていないんですね。
価格に「○○%OFF!」などとうたって「おトク感」を出したつもりでも、今時、読み手側も「割引は当たり前」といった感じで感覚がマヒしていますから、インパクトに欠け、結局、他社のリフォーム会社と何が違うのかよくわからないまま「また入っているわ。そのうちね?」で終わってしまうのです。
お客さんの行動を考えてみる。
つまり、この例では冒頭で述べたように「差別化の視覚的訴求(インパクト)」「ストーリー」がありません。
では、「ストーリー」とは具体的に何か?・・・ここでは、リフォームチラシをみた人が電話をするまでのアクションを考えてみましょう。
→(1)チラシに目を留める(インパクト)」
→(2)「自分の要望に合致するか?本当におトクなのか?(差別化・特徴・メリット)」
→(3)「その会社は信用できるか?(ブランド力や心理的な障壁)」
→(4)「電話する」
このように実際に電話でお問い合わせをもらうまでには、いくつかのステップがありますが、それには、まず(1)と(2)のインバクトとメリットを瞬時に理解してもらう必要があります。
では、具体的な例をあげてみましょう。
左側がさきほどの「価格表タイプ」のリフォームチラシですが、右は当社で制作したチラシの例です。
「まず目を留めてもらい」「このようなことで悩んでいたらこのように解決します!」ということを瞬時に視覚的に伝わるように制作しています。つまり「見せる差別化」です。
また専門的なことや自社の良いところ(差別化)を文章で書いてしまうと長くなりますし、いくら優れていたとしても読んでもらえないと意味がありません。 そこで、事例ではオリジナルイラストを描き起こし、この企業様のイメージキャラクターとの会話形式で「省エネ住宅エコポイント」というお得な制度の説明を織り交ぜながら、お買い得商品を配置して電話番号へ・・・・という流れを作りました。これが「ストーリー」です。
4コママンガでも「起承転結」があるように、このチラシでも「最初の悩みに対する問いかけ」「視覚のインパクト」で注意を引き、サービスの内容を視覚的に理解してもらい、電話による問い合わせまでの流れを作っています。
無機質な文字による説明と違い、最後まで読んで(みて)もらうよう工夫することで 「サービスの価値(差別化)」がお客さんに伝わるのです。
視覚化とストーリー化
差別化というのは、会社によってそれぞれ異なります。
「価格が安い」というのは、極めてシンプルで誰にでもわかりやすいメリットではありますが、これだと、低価格競争に巻き込まれたり、その他の「質」の部分、たとえば「快適」「誠実」「人柄」「品質」「信用」といった目に見えない長所が伝わりません。
このように目に見えない部分をアピールする場合、「目に見えるカタチ」に転換し、わかりやすくすることが重要となります。
「人は見た目で判断する」という言葉通り、視覚による情報は重要です。いくら理屈で説明するより視覚的なイメージは理解も早く確実です。
テレビ通販で洗剤のCMをご覧になった方も多いと思いますが、あれも科学的な成分やその効能を口頭説明で伝えるのではなく、実際に油汚れで困っている奥さんが出てきた後に、「しつこい油汚れがサッと一拭き!」といいながら換気扇の油汚れが一瞬でピカピカになる様子を「映像(見た目)」で伝えています。
たとえこの洗剤が「化学的に画期的な成分を使用していて汚れを分解するプロセスがいかに優れている」・・としても、それを学術的に化学式や文章で長々と説明したってたぶん売れませんよね?
同じ性能、同じ価格でも売り方(宣伝方法)で大きく差がついてしまうはずです。
イラストや画像は「デザイン」で使うだけでなく「手段」として用い、さらにそれを映像化して「Youtube」にアップしたりマンガ化することで「見せる宣伝」を考えましょう。
そして「お問い合わせ」や「ご来店」といった最終的な目的に誘導する流れをつくることが大切だと思います。
せっかくの優れた商品やサービス、長所があるのにそれを上手く表現できないのではもったいないです。
他社との差別化をもっとわかりやすくする宣伝手法をご一緒に考えてみませんか?